アリナミンの主成分として知られるフルスルチアミン。
市販薬と病院で処方される医療用医薬品との違い、アリナミンとジェネリック医薬品のフルスルチアミン錠「トーワ」の違いや成分、効果、副作用、入手方法などをわかりやすく解説します。
目次
フルスルチアミンとは?
フルスルチアミンとは、ビタミンB1の誘導体です。
誘導体とは、物質の一部を変化させ、体に吸収されやすくしたものです。
ビタミンB1(チアミン)は体に吸収されにくいという特徴があります。
フルスルチアミンは、武田薬品工業がチアミンの誘導体として、チアミンとニンニクの成分であるアリシンとコーヒーの香りの成分であるフルフリルメルカプタンを結合させ開発しました。アリナミンシリーズは有効成分として主にフルスルチアミンを含みます。
ビタミンB1とは?
ビタミンB1とは水溶性ビタミンの一つで、農芸化学者の鈴木梅太郎が1911年、米ぬかの中から発見しました。世界で最初に発見されたビタミンです。
科学的にはチアミンという化合物で、ブドウ糖をエネルギーに変換するのに必要な栄養素です。
ビタミンB1やビタミンCなどの水溶性ビタミンは、尿を通じて体外へ排出されるため、食事や薬などから小まめに摂取し続ける必要があります。
ビタミンB1は、肉類や魚類、豆類、穀類、種実類に多く含まれます。穀類では米ぬかや小麦はいがに多いため、精米し白米にするとビタミンB1の含有量は少なくなります。
フルスルチアミンの効果
フルスルチアミンには疲労回復に効果があります。
疲れの原因の一つが細胞内のエネルギー不足です。
糖質を分解したブドウ糖をフルスルチアミンが、エネルギーに変えることで、効率よくエネルギーが細胞に届き、疲労回復につながります。
また、肌の新陳代謝を促し、皮膚や粘膜を強化するため、肌のトラブル、肌荒れを改善する効果もあります。
ビタミンB1欠乏症
医療用医薬品のアリナミンFやフルスルチアミン錠トーワは、本来は以下のようなビタミンB1欠乏症の治療に用います。
脚気(かっけ)
脚気は、末梢神経障害と心不全により、最悪の場合死に至る病気です。
初期症状は、全身の倦怠感やイライラ、食欲低下などです。
続いて、末梢神経や中枢神経の障害から手足の先のしびれや痛みが起こり、さらに進行すると感覚障害から歩行困難になります。
重症化すると心臓機能が衰え、心拍数の増え、手足のむくみ、胸水がたまるなどの症状が現れ、心不全で死亡します。
日本では、江戸時代に精米技術が進歩し、玄米ではなく白米を食べるようなると患者が増え始め、大正時代には結核と並ぶ2大国民病と言われました。
ウェルニッケ脳症
ウェルニッケ脳症は、意識障害や眼球運動障害(眼球の揺れなど)、運動失調(歩行時のふらつきなど)といった症状が現れる脳の病気です。
この病気を報告したドイツ人医師カール・ウェルニッケにちなんで病名がつけられました。
脳はブドウ糖のみをエネルギー源とする細胞のため、ビタミンB1の欠乏によりブドウ糖が供給されなくなると脳に重大な影響をもたらします。
アルコール依存症の人で発症リスクが高いことが知られています。過度の飲酒はビタミンB1の吸収を阻害するだけでなく、アルコールの分解にもビタミンB1を使うためビタミンB1が不足しがちになるためです。
初期であれば、アリナミンやフルスルチアミン錠トーワでビタミンB1を補充すれば改善しますが、コルサコフ症候群という後遺症が残ることがあります。
コルサコフ症候群では、最近の出来事が記憶できない、時間や場所自分の置かれている状況が理解できない。自分が覚えていないことを取り繕うために無意識に話を創作してしまう「作話」などの症状が起こります。
フルスルチアミン配合の処方薬と市販薬の違い
フルスルチアミン配合の薬にはアリナミンAなどの市販薬、アリナミンFやフルスルチアミン錠トーワなどの病院で処方される医療用医薬品があります。それぞれ以下のような違いあります。
処方薬は有効成分としてフルスルチアミンのみを含む
病院などで処方される武田薬品工業のアリナミンFや後発医薬品の東和薬品のフルスルチアミン錠は有効成分としてフルスルチアミンのみを含みます。
本来は、脚気やウェルニッケ脳症の治療に用いります。
原則として医師の診察を受けて処方してもらう必要があります。
アリナミンFとフルスルチアミン錠トーワでは以下のように、添加剤に違いはありますが、有効成分に違いはありません。
ただし、薬価はアリナミンFが5.9円、フルスルチアミン錠トーワが5.5円となっており、フルスルチアミン錠トーワの方が安いためオススメです。
25mgアリナミンF糖衣錠(1錠中)の成分と用法容量
有効成分:フルスルチアミン塩酸塩 27.29mg (フルスルチアミンとして25mg)
その他添加剤:トウモロコシデンプン、アルファー化デンプン、ゼラチン、 ステアリン酸マグネシウム、乳糖水和物、タルク、アラビアゴム末、酸化チタン、ヒマシ油、モノステアリン酸グリセリ ン、精製セラック、カルナウバロウ、サラシミツロウ、リボフラビン、精製白糖
用法容量:成人には 1日量 1~ 4錠(フルスルチアミンとして 25~ 100mg)を1日1~3回に分けて食後直ちに服用します。
フルスルチアミン錠25mg「トーワ」の成分と用法容量
市販薬はフルスルチアミン以外の有効成分も含む
市販薬であるアリナミン製薬のアリナミンAやアリナミンEXプラスは有効成分としてフルスルチアミンのほかにビタミンB2やビタミンB6、ビタミンB12などを含みます。
アリナミンA(1錠中)の成分と用法容量
有効成分:フルスルチアミン塩酸塩 36.39mg(フルスルチアミンとして33.33mg)、ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6) 6.67mg、シアノコバラミン(ビタミンB12) 20μg、リボフラビン(ビタミンB2) 4mg、パントテン酸カルシウム 5mg
その他添加剤:乳酸カルシウム水和物,部分アルファー化デンプン,ヒプロメロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース),セルロース,乳糖水和物,ヒドロキシプロピルセルロース,ステアリン酸マグネシウム,トウモロコシデンプン,エリスリトール,酸化チタン,アラビアゴム,炭酸カルシウム,タルク,白糖
用法容量:成人には 1日量 3錠(フルスルチアミンとして 100mg)を1日1~3回に分けて食後直ちに服用します。
アリナミンEXプラス(1錠中)の成分と用法容量
商品名 | 区分 | 医師の診察 | 入手場所 |
フルスルチアミン錠トーワなど | 医療用医薬品 | 原則必要 | 処方受付のある薬局 |
アリナミンAなど | 第3類医薬品 | 不要 | ドラッグストア |
フルスルチアミンは飲み合わせ次第でさらなる効果が期待できる
フルスルチアミンは以下の医薬品(成分)と組み合わせることで美肌目的で、さらなる効果が期待できます。
ここでは概要を記載しますので、各医薬品の詳細は別記事を参照して下さい。
ユベラはビタミンEを有効成分とする医薬品です。
ビタミンEは強い抗酸化力があり、細胞を活性酸素から守る働きがあります。
シナールはアスコルビン酸(ビタミンC)とパントテン酸カルシウムを有効成分とする医薬品です。
抗酸化作用、抗炎症効果、皮膚の新陳代謝の活性化などさまざまな効果があり、ニキビや吹き出物、赤みなどの皮膚トラブルを緩和し、健やかな肌や髪を維持します。
トラネキサム酸にはメラニン色素の生成を抑えたり、炎症を抑える作用があるため、シミを抑える働きのほか、そばかす、肝斑、老人性色素斑、傷などの色素沈着にも効果があると言われています。
ハイチオールはL-システインを有効成分とする医薬品です。
L-システインはシナールと同様にシミの予防やシミを薄くする働きがあります。
さらに肌のターンオーバーを促進する働きがあるため、美肌に効果的です。
ビフロキシン配合錠はビタミンB2とB6を有効成分とする医薬品です。
ビタミンB2とB6は皮膚や粘膜を正常に保つのに必要で、不足すると肌荒れの原因になります。
フルスルチアミン錠25mgトーワの副作用
頻度は不明ですが、発疹やかゆみ、悪心、胸やけ、胃痛、胃部不快感、下痢、口内炎などの副作用が報告されています。このような症状が出た場合は直ちに服用をやめ、医師や薬剤師に相談してください。
フルスルチアミン錠25mgトーワの入手方法
フルスルチアミンのみを有効成分として含むフルスルチアミン錠25mgトーワ。
同じくフルスルチアミンのみを有効成分として含むアリナミンFよりも安価ですが、原則として医師の診断を受け、処方してもらう必要があります。
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